Top >> 家具ログindex >> 第100回 婚礼家具メーカーの職人技とこだわりで生まれたAUTHENTICITY(オーセンティシティ)究極のウッドフレームソファに挑戦し続ける土井木工 第1回 | 住賓館(じゅうひんかん)家具ログ

デザイン、フレーム、クッションのすべてが高い完成度で構成され、、その芸術的な美しさで後世まで残るであろう名品の佇まいを見せるAUTHENTICITY(オーセンティシティ)のソファ。
イタリアの有名ブランドarflex(アルフレックス)やB&Bをもしのぐセンスとクオリティで、ハイグレードソファを求めるファンの注目を集めています。
このAUTHENTICITY(オーセンティシティ)シリーズを手がけているのが、広島県府中市にある土井木工です。
住賓館とのお付き合いも長く、AUTHENTICITY(オーセンティシティ)より前から製造しているウッドフレームソファ「Sofa M」や希少な北海道産ミズナラ材を使った家具など、多くの家具を取り扱っています。
そのため、これまでに何度も打ち合わせで本社にお邪魔していましたが、今回は社の歴史やこだわり、AUTHENTICITY(オーセンティシティ)シリーズについてもっと深く知るために訪問。
ショールームや製作工場を巡りながら、土井啓嗣社長にいろいろとお話をしていただきました。
ウォールナット、突板、洋風モダンな家具・・・。
府中の家具づくりに新風を吹き込んできた土井木工の歴史
【住賓館】
土井木工は、婚礼家具の産地として有名な広島県府中市にある創業60余年の老舗家具メーカーです。
数々のコンクールでの受賞実績を持ち、素材の良さと優れた技術力で全国的にも高い評価を受けています。
現在の活躍ぶりは周知のことですが、創業当時のことについてご紹介ください。

【土井木工・土井啓嗣社長】
土井木工の創業者で父でもある会長は、もとは国鉄の車掌。
家具づくりとは接点のない職についていました。
ところが原爆で父親を亡くし、親戚のいる神戸へ。
ここで家具工場に勤め、家具づくりの技術を習得したと言います。
その後広島に戻り、昭和24年土井木工製作所を創立。
昭和36年には、通産省(現経済産業省)が全国の家具産業を成長させることを目的に開催した第6回全国優良家具展で、会長がデザイン・製作した作品が第1位通産大臣賞を受賞し、一躍全国に名を知られることになりました。
その時の受賞作品は、ウォールナット材の柾目を使った箪笥で、当時はまだウォールナットを使うことは斬新でした。
またデザインも現代的で、今イタリア人に見せてもモダンな家具と言われます。
会長の場合、家具づくりも神戸の洋家具で習得したこともあり、府中において伝統に固執するだけでなく、柔軟な発想でモダンな家具にも取り組んでいました。
昭和24年ごろの府中では、和ダンスが主流だったため、洋服ダンスなど、洋家具を作る当社に対して、「土井木工は変わったものを作るなぁ」とも言われるほど先進的でした。
また、府中では当時、突板を張る技術がなかったので、会長が資材業者に技術指導して突板を広めていきました。
 
鏡板のイメージをアームへ
婚礼家具メーカーが作るソファのこだわり
【住賓館】
AUTHENTICITY(オーセンティシティ)のソファで一際目を引くのが、フレームの木目の美しさです。
特にSOFA BUタイプのアーム部分は、正面と肘を置く上部は鋭角に曲がっているにもかかわらず、木目はまっすぐ通り、左右の木目のバランスや向きもしっかり揃えています。
初めてこのフレームを見た時の衝撃は今でも覚えています。
ここまで木目の美しさにこだわったソファにはお目にかかったことがありませんでした。

【土井木工・土井啓嗣社長】
土井木工は、創業以来婚礼家具を作り続けています。
婚礼家具は基本的に、洋服ダンス、和ダンス、整理ダンスなどのセット家具。
このため扉や引き出しの前板部分=鏡板の木目や色あいを揃え、セットで見た時の印象やバランスが崩れないように製作します。
木目や色がバラバラだったり、木目の方向が上下チグハグでは見た目の印象が悪くなってしまいます。
婚礼家具を作る上でのこうした美的感覚は、ソファやテーブルなどの単品家具においても同じです。
例え単品であっても、左右のバランスや木目の方向を揃えようとする感覚が土井木工の製作現場にはあります。

婚礼家具における鏡板のイメージをAUTHENTICITY(オーセンティシティ)ソファのアームにも−。
婚礼家具からスタートした土井木工がつくるソファは、木目の見せ方までにこだわっています。
 
完成品をイメージした資材調達
はじまりは、AUTHENTICITY(オーセンティシティ)のための丸太選び
【住賓館】
土井木工の倉庫には、北海道産のミズナラ、ウォールナット、チェリー、ハードメープルなど、昭和24年創業以来築き上げた仕入れルートにより、今では入手困難の希少な木材が大量に保管されています。
それはまさに宝の山。
これほど良質の木材をこれほど豊富にストックしている家具メーカーを、ほかには知りません。
土井木工が他社には決して真似のできない、ハイグレードな家具を作ることができるのは、こうしたお宝級の良材があるからでしょう。
ところで、通常家具製作は、製材した木材の中から家具にあった木材を選別し、木取りを行います。
しかし、AUTHENTICITY(オーセンティシティ)に使用するウォールナットは、丸太の段階ですでに選別が行われているそうですね。

【土井木工・土井啓嗣社長】
AUTHENTICITY(オーセンティシティ)に使用する北米産のブラックウォールナットは、AUTHENTICITY(オーセンティシティ)に使用するための丸太を選ぶことから始まります。
30年来の取引があるアメリカの資材サプライヤーでは、AUTHENTICITY(オーセンティシティ)に適した丸太を1本1本厳選し、AUTHENTICITY(オーセンティシティ)に使用するために製材。
その中からアメリカ広葉樹の最高グレード・FASランクの木材だけを選出し、天然乾燥、人工乾燥を経て、最終選別を行い、土井木工に届けられます。
(その後日本でも厳しい選別や木目チェックがありますが、詳しくは次回ご紹介します)
つまり、アメリカの資材先では、自分が選んだ丸太や製材した木材がどういう商品になるのかを知った上で作業を進めてくれています。
完成後のフレームやアームの木目が美しく出ることをイメージして対応してくれています。
これは長年の信頼関係と実績を重ねてきたからこそできることです。
AUTHENTICITY(オーセンティシティ)は、木材を仕入れるところから真剣に取り組むことで、「本物」という意味を持つAUTHENTICITY(オーセンティシティ)の名に恥じないハイグレードな家具をご提供しています。
土井木工インタビュー対談の第1回はここまでです。
第2回は、アメリカ広葉樹の最高グレード・FASランクの上をいく土井木工ランクによる木材選別やこだわりの木取りなどについて、工場見学の様子もからめながらご紹介していきます。
また、第3回では、AUTHENTICITY(オーセンティシティ)シリーズの商品紹介とメンテナンスについてご紹介する予定です。
どうぞお楽しみに。
 
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