Top >> 家具ログindex >> 第28回 飛騨の家具 メーカー事情と住賓館目線の売り場展開 飛騨産業、日進木工、柏木工の3大メーカーと、箱物に強いシラカワ | 住賓館(じゅうひんかん)家具ログ
第27回 ハイエンド対決!これが100万円のマットレス! 〜価格インパクトを上回る高スペック〜フランスベッド「THE FRANCEBED(ザ フランスベッド)」・シーリー「BLACK LABEL(ブラックレーベル)」
家具好きに人気の飛騨の家具。中でも「飛騨産業」、「日進木工」、「柏木工」の3大メーカーの人気は高く、住賓館のお客様にもファンの多い家具メーカーです。
住賓館では、昨年の改装後から、"癒し"、"北欧スタイル""新和風"をキーワードに売り場作りの演出を行っていますが、この3大メーカーも含め、飛騨の家具は、売り場展開の重要な役割を担っています。
そこで今回は、飛騨家具業界のメーカー事情やおすすめ家具についてご紹介します。

飛騨産業
〜節を主役にしたヒットシリーズ「森のことば」と根強い人気の「プロヴィンシャル」〜

節を主役にしたヒットシリーズ「森のことば」と根強い人気の「プロヴィンシャル」
まずは、「飛騨産業」。
ここの「森のことば」シリーズは、これまで素材選びの段階で排除されていた節あり素材を使って作られた家具。
味わいのある節が家具の表情を豊かにし、10年来のヒットシリーズです。
とはいえ、ここ最近は一時ほどの勢いを感じられなくなったように思います。
そんな中で、発表以来約30年に渡り根強い人気を保っているのが、英国17世紀の農民家具を復元させた「プロヴィンシャル」シリーズです。
私自身も大好きで、住賓館ではもう15年以上ずっと取り扱っています。
農民が日々の暮らしを共にした家具は、使い勝手がよく、修理しやすく堅牢なつくり。
そして長い時間を過ごしても居心地のいいデザイン。
それを飛騨の匠が丁寧な手作りによって復元させたプロヴィンシャルは、どっしりとした面構えながら、人と暮らしをまるごと抱くような包容力と温もりがあります。
"癒し"の演出にはぴったりの家具です。
節を主役にしたヒットシリーズ「森のことば」と根強い人気の「プロヴィンシャル」
プロヴィンシャルはいろいろな組み合わせができ、どんなライフスタイルにも合わせることができます。
例えば、スペースを取らずにコンパクトに生活したい方のリビングダイニングには、セトル(長椅子)をメインにして、その前にバタフライテーブルを置くコーディネートはいかがでしょうか。
バタフライテーブルは、折りたためばワイド850ミリ、広げれば1350ミリと、必要に応じてサイズを変更できるので、スペースを有効活用できます。
リビングダイニングでは、"まずはダイニングセットを"と、考えがちですが、こんなコーディネートも面白く、おすすめです。

住賓館にしかない飛騨産業の家具
〜プロヴィンシャル住賓館オリジナルEX、里シリーズ、北海道民芸家具〜

ところで、家具業界に限ったことではありませんが、人気が出てくると需要に応じて取扱店が増えるのは当然のこと。
すると始まるのが店舗間での価格競争。
一方買い手も次第に質の良さでなく、価格で見極めるようになります。
そして値崩れを起こした人気モノは、巡り巡って質も落ち、いつかは消えていく・・・というパターンも多いもの。
いい家具が消えていくのは悲しいものです。
そこで住賓館では、価格に惑わされずに質の良さで家具選びをしていただくために、いい家具の質をより高めたオリジナル仕様にも積極的に取り組んでいます。
プロヴィンシャル住賓館オリジナルEX、里シリーズ、北海道民芸家具
「プロヴィンシャル住賓館オリジナルEX」もその一つです。
塗装色は、部屋を広く見せてくれる、ちょっと薄めのP淡色。
家具の表情をより豊かにするとともに、使っているうちにキズがついても目立たないように、天板などの表面に入れるうづくり加工は、ちょっと深めになど、細部にこだわったオリジナル仕様となっています。
お客様には、質の満足感だけでなく、人気商品でも他にはない仕様の家具を手にしているという満足感も得られるので、さらに愛着を持って使っていただけることと思います。
また、とても素晴らしい家具なのに、諸事情により廃盤になってしまった希少な家具も、住賓館フロアに並んでいます。
プロヴィンシャル住賓館オリジナルEX、里シリーズ、北海道民芸家具
飛騨産業であれば、杉材を使った「里」シリーズの椅子とテーブル。
杉材で軽量の上、脚のデザインは床を傷つけにくい仕様なので、畳の部屋でも使え、軽くて移動もラクにできます。
完成された商品なのに、素朴さもあり、どの空間にもしっくりと馴染みます。
プロヴィンシャル住賓館オリジナルEX、里シリーズ、北海道民芸家具
この「北海道民芸家具」のダイニングセットも今は製造されていないもの。
「北海道民芸家具」は現在、飛騨産業がクラレインテリアからブランドを引き継いで製造していますが、このダイニングセットはクラレインテリアで作られたもので、飛騨産業での製造アイテムの中にはありません。
細部にまで技と芸術性が感じられ、"北民ファン"には、たまらない家具ではないでしょうか

日本の北欧家具 日進木工
〜「N」ブランドの椅子SOLA、WHITE WOOD(ホワイトウッド)、Natural Basic(ナチュラルベーシック)〜

「N」ブランドの椅子SOLA、WHITE WOOD(ホワイトウッド)、Natural Basic(ナチュラルベーシック)
改装後の大きな目標でもある"北欧スタイル"の店作りでは、日進木工の家具が中心となります。
日進木工は、軽くてデザイン性に優れたモダンな家具作りを得意とし、特に椅子の軽量化においては群を抜いた技術を持っています。
3年の歳月をかけて完成した「N」ブランドの椅子「SOLA」は、わずか3800グラム。
華奢で繊細なデザイン、曲げ木による美しいフォルムは、その名の通り、宙に浮いているかのような軽やかさです。
しかし、その見た目以上に優れているのは、使い勝手の良さ。毎日何度も動かす椅子にとって、軽いということがどれほど便利で快適なことかを実感させてくれます。
「N」ブランドの椅子SOLA、WHITE WOOD(ホワイトウッド)、Natural Basic(ナチュラルベーシック)
日進木工で感心するのは、小物一つにも手を抜かず、美しさと機能性を追求し、熟成させて製品にしている点です。
同じ「N」ブランドのフロアスタンドやサイドテーブル、ウッドポットなどのように、小物一つでライフスタイルに変化が出て、より快適な生活を過ごす手助けになる家具を、これからも住賓館ではご提案していきます。
「N」ブランドの椅子SOLA、WHITE WOOD(ホワイトウッド)、Natural Basic(ナチュラルベーシック)
現在のフロアでは、WHITE WOOD(ホワイトウッド)とNatural Basic(ナチュラルベーシック)のダイニングセットやリビングセットで北欧テイストの売り場作りを進行中です。
家に帰り、ホッとして笑いがあり、会話が弾み、1日の疲れがスッーと取れるような空間演出は、北欧のナチュラルスタイルにヒントがあると思います。
みなさんもぜひ、フロアの展示を参考にしながら、居心地のいい空間を作り上げてください。

ロングセラーと新和風提案 柏木工
〜WILDERNESS(ウィルダネス)、CIVIL(シビル)、ELES(エレス)、GECCA(月華)、SOWA(創和) 〜

WILDERNESS(ウィルダネス)、CIVIL(シビル)、ELES(エレス)、GECCA(月華)、SOWA(創和)
日本の美や和の文化を今の生活様式に合わせたデザインと発想力で、新たな日本のスタンダードを目指している柏木工。
20年以上続くロングセラーシリーズ「WILDERNESS(ウィルダネス)」は、テイストとしては、飛騨産業のプロヴィンシャルに通じる所がありますが、女性の方にはWILDERNESS(ウィルダネス)が人気。
プロヴィンシャルよりカントリー度がやわらかいのがその理由です。
好みはいろいろありますが、プロヴィンシャル同様、長い年月続くシリーズには、素材、作り、デザインの全てに納得させるだけの揺るぎない技術とセンスを持ち合わせています。
一方、日進木工の北欧テイストに通じるシリーズは、「CIVIL(シビル)」や「ELES(エレス)」 。
WILDERNESS(ウィルダネス)、CIVIL(シビル)、ELES(エレス)、GECCA(月華)、SOWA(創和)
WILDERNESS(ウィルダネス)、CIVIL(シビル)、ELES(エレス)、GECCA(月華)、SOWA(創和)
住賓館が提案する"新和風"ならば、竹と楢材を組み合わせた「GECCA(月華)」シリーズ、刀や富士、禅堂や茶室のしつらえをモチーフにしたり、木を布のように編んで千鳥格子にするという独自の技術を椅子の背に施した「SOWA(創和)」シリーズなど。
畳の部屋はもちろん、ブロック打ちっ放しのモダンな空間にもしっくりと馴染む"新和風です。

飛騨家具も革新の時?
〜脚物の飛騨産業と日進木工に、箱物の柏木工とシラカワ〜

飛騨家具業界を見ていて、最近頑張っているのが、柏木工です。
それは椅子など脚物に強い飛騨産業や日進木工に比べて、柏木工は、最近需要の多いテレビボードやサイドボードなどの箱物に強いからではないでしょうか。
脚物の飛騨産業と日進木工に、箱物の柏木工とシラカワ
柏木工のシステムユニット「組曲・LDS」は、様々な形のBOXを自分仕様に組み合わせることのできるシステム家具です。
住賓館のフロアでは、柏木工の「SOWA(創和)」のダイニングとリビングセットのカラーに合わせた食器棚とサイドボードをコーディネートして展示しています。
狭いスペースでもセンターテーブルが利用できるのは、フルオーダーできる「組曲・LDS」だからこそです。
ところで、箱物に強い飛騨家具メーカーで、私のおすすめは、シラカワです。
このメーカーのオーダーボードシステムは、柏木工のようにBOXの組み合わせでなく、すでにテレビボードやサイドボードと言ったアイテムが設定してあり、そのデザイン、サイズ、カラー、材質などを選んでいくシステムです。
しかも一つ一つの価格が細かに表示されているので予算も組みやすく、わかりやすいのが特徴です。

木の素材感を生かした和モダンの家具 シラカワ
〜オーダーボードのPLAIN(プレーン)、ロングセラーの伸空(ノア)シリーズ〜

オーダーボードのPLAIN(プレーン)、ロングセラーの伸空(ノア)シリーズ
シラカワは、木の素材感を生かした和モダンの家具で定評のあるメーカーです。
そのシラカワのオーダーボードでおすすめは、「PLAIN(プレーン)」シリーズのテレビボードです。
扉はプッシュタイプで見た目もスッキリとしたデザイン。板扉か、ガラス扉かを選ぶことができます。
シラカワには、私が個人的に大好きな椅子があります。
「伸空(ノア)」シリーズの椅子で、「爺ちゃん抱っこと、手を伸ばした孫の姿」が、バックの構成となっている椅子です。
背中が抜けているので軽量、しかも背中のフィット感もよく、見た目にも非常にカッコイイ椅子です。
このフォルムを作り出す技術は、きっとシラカワでなければ出来ないでしょう。
「伸空(ノア)」シリーズの椅子には、肘ありと肘なしタイプがあり、私の好みは肘なしです。
こちらも材質やカラーなど、好みのオーダーに応じてくれるので、興味のある方は、まずは住賓館までご相談ください。