Top >> 家具ログindex >> 第18回 イタリアの家具と世界最大規模の家具見本市・ミラノサローネ 来場者は31万人以上!世界が注目する家具見本市のビジネスと滞在ウラ話 | 住賓館(じゅうひんかん)家具ログ
住賓館では今、改装後のグランドオープンに向けて、続々と新しい家具が届いています。
先日届けられたのはイタリアの家具で、Frag(フラッグ)のカウンターチェアやCOMPAR(コンパル)のリフトテーブルなど、いずれも洗練されたデザインと高い機能性を持つ素敵な家具です。
やはりイタリアの家具はいいですね。
住賓館では、これからも純粋なmade in イタリアの家具を積極的に取り扱っていきます。
イタリアの家具の中でも私が今注目しているのが、COMPAR(コンパル)の家具です。
イタリアのメーカーでは、calligaris(カリガリス)が有名ですが、COMPAR(コンパル)は、カリガリスをもっとカジュアルモダンにした家具。
斬新なデザインと機能美の融合。
そして優れたコストパフォーマンスが特長です。
COMPAR(コンパル)の家具については、次回じっくりご紹介するとして、今回は、毎年春にミラノで開催される世界最大規模の家具見本市・ミラノサローネとイタリア家具のビジネスについてお話しましょう。

全てが“超ビッグ”な見本市
2009ミラノサローネ
新緑の美しい4月下旬、ミラノの街は世界中の人で溢れます。
その目的は、ミラノサローネ。
ミラノ・サローネは1961年からスタートした世界一の規模を誇る家具やインテリアの見本市で、地元イタリアを中心に、北欧、アジア、アメリカなど世界各国の企業が多数参加して、最先端の家具やインテリア雑貨を発表します。
ちなみに、今年(2009年)開催された時の出展企業は、イタリア国内1179社、国外317社。
先に紹介したcalligaris(カリガリス)やCOMPAR(コンパル)、Frag(フラッグ)、革張り専門ソファーメーカーのGAMMA(ガンマ)など、私が注目するイタリアメーカーも多数出展していました。
そして来場者は31万人以上。これだけ人が集まるということは、それだけ会場も巨大で、中心会場の展示面積は東京ドームの4倍以上。
3日や4日ではとてもまわりきれないほどです。
しかも、各企業ブースでは、わずか1週間足らずの展示期間に対して、本格的なショールームをそのまま移築したような高いレベルのショールームを作り上げます。
2009ミラノサローネ
単に展示品を並べるだけでなく、演出機材や照明にもこだわり、かなりの予算をかけて作り上げていました。
私などは、買い付けの有無は別として、このショールームを見るだけでも自分の店づくりの参考になります。
とにかく、何から何まで桁違いの大きさとレベルの高さの見本市が、このミラノサローネです。
では、なぜイタリアのメーカーが、ここまで力をいれるのか。
それは、このサローネがその後のビジネスに大きく影響を与えるからです。

年間の売り上げを左右する勝負の場
2009ミラノサローネ
イタリアのメーカーでは、このサローネで年間の半分から3分の1を売り上げます。
まさにここが勝負の場。何千万もの商談がこの期間に成立するのです。
パリやアメリカで行われる展示会では、作品発表の場としてのショー的意味合いが強いのに対して、イタリアメーカーにとってのサローネは、完全にビジネスの場。
それだけにブースの場所も重要で、いい場所の取り合いなど、熾烈な競争もあるようです。
もう一つ、イタリアメーカーは、カタログにとてもお金をかけます。
サローネ以外に商品を紹介する手段が少ないため、その良さをわかってもらうためにカタログに力を入れているのでしょう。
予算をかけ、こんな撮影までして作り上げているのかと驚くほどに完成度の高いカタログを製作しています。
イタリアメーカーのカタログを見るたびにいつも感心させられます。

サローネ期間中のホテルは通常の3倍!
世界中から人が押し寄せるサローネ期間中、会場周辺やミラノ市内のホテルの宿泊料は通常の3倍に跳ね上がります。
今年のヒルトンホテルは、通常2万5000円の部屋が6万5000円でした。
このため、慣れた人はこのエリアを避けて少し離れたホテルに宿泊して電車で会場に通っています。
レマン湖周辺に宿泊しながら通う強者もいらっしゃいました。
期間中はホテルもレストランも満室、満席となり、予約していないと大変なことになりますが、家具の見本市でホテルが埋まってしまうのは、たぶんイタリアぐらいでしょう。
それだけイタリアの家具が魅力的だということなのでしょうね。

ミラノサローネは、家具やインテリアの最先端情報を得られるだけでなく、イタリア家具の良さを再確認し、刺激を受け、ショールームのあり方まで学べる価値あるイベントです。
しっかり参考にして今後の住賓館に活かしていきたいと思います。