Top >> 家具ログindex >> 第16回 日本の北欧家具・・・飛騨の日進木工 〜家族のなごみを演出する北欧スタイルの家具〜 | 住賓館(じゅうひんかん)家具ログ
2009年9月の初め、飛騨高山で開催された家具の展示会に行って来ました。
飛騨高山地方は、高度な木工技術を持つ「飛騨の匠」で知られる木製家具の産地。
その伝統を受け継ぐ各メーカーが自慢の家具や新作を展示していましたが、住賓館改装後のテーマの一つが、家の中で長く居られる「北欧スタイル」のインテリアだけに、やはり私の目を引いたのは日進木工の家具でした。
木のぬくもりが感じられるシンプルで機能的なデザイン大人気の北欧スタイルの家具
日本で大人気の北欧スタイルの家具。
長く厳しい冬が続き、日照時間が短い北欧の自然環境の中で生まれた家具は、家の中で長く過ごすことを余儀なくされた人々を癒す存在でなければなりませんでした。
そのために、シンプルで機能的なデザイン。
モダンでありながら飽きがこず、北欧の豊かな森林資源を生かした木のぬくもりが感じられる家具が生まれました。
また、曲げ木などの加工技術による曲線美や強度も兼ね備え、主張しすぎず、けれどずっと愛着を持って長くつきあえるのが北欧の家具です。
北欧の人々は、20年、30年、50年と、ずっと長く家具を使い続けています。
家具とはそういう物だと考えているからです。
良質の素材を使い、丁寧に作られたレベルの高い家具を大切に使い続け、壊れたら修理してまた使う。
こうして代々引き継がれた家具は、家族が集うなごみの空間には欠かせないアイテムとなっています。
日本の北欧家具づくりのトップメーカー「日進木工」
この北欧スタイルの家具をいち早く取り入れたのが日進木工です。
「伝統技術を生かしながら、現代の生活に合うモダンスタイルの家具をつくりたい」という企業コンセプトのもと、日本の住宅に溶け込む北欧モダンを軸にしたオリジナル家具を作り続けています。
もともと、飛騨高山の家具は、豊富な森林資源と高い木工技術によって、シンプルで堅牢で、素材の魅力を生かした家具づくりを行ってきました。そこには北欧の家具づくりとの共通点も多くあります。
ところで、飛騨高山の家具と聞くと、木のたくましさや造形をそのまま生かした重量感のある家具を連想されるかもしれませんが、都で宮大工として技を磨いた「飛騨の匠」から受け継がれた伝統技術は、繊細な手業の技術にも長けていて、軽くてデザイン性に優れたモダン家具も作り出しています。
特に、日進木工では、「軽さ」においては別格のレベルの高さを持っています。
生活の中で一番活躍するダイニングチェアであればわずか3500g前後のものも。
それは子犬ほどの軽さです。しかも、非常に線が細い華奢なデザインでありながら、80キロの私が座ってもビクともしない力強さがあります。
軽さと強度を両立させる伝統の技「角ホゾ構造」「曲げ木」
伝統の技「角ホゾ構造」「曲げ木」
この「軽さ」を実現させるには、各パーツを最小限細くしなければなりません。
しかし細いと強度の面での問題があります。そこで登場するのが伝統の技。
細くても強度を出すことの出来る接合技の「角ホゾ構造」です。
これはつなぎ合わせる長方形の凸部をもう一方の凹部に差し込んで接合するもので、0.1mm単位の精度が要求される高度な技術力が必要で、手間もかかります。
また、美しいカーブラインを描く「曲げ木」は、木の繊維を切断しないで曲げるため、細いフレームでも強度があります。
こちらも熟練職人による経験と高い技術力が要求されます。
曲げ木に適した木材は、ナラやブナ材ですが、日進木工ではチーク材、ブラックウォールナット材、ハードメープル材の曲げ加工に成功しています。
日進木工のレベルの高さはあらゆる面で確かです。
視線のぶつからない「丸テーブル」で家族のコミュニケーションを深める
日進木工・丸テーブル[1本脚] DT-4
●日進木工・丸テーブル[1本脚] DT-4
住賓館としては、椅子には「軽さ」を重視した選択をご提案しますが、テーブルについては、家族のコミュニケーションを深めることの出来る「丸テーブル」をおすすめします。
それは、視線がぶつからずにリラックスして会話が楽しめるからです。
お子さんに勉強を教えるときも、対面でなく横に座って教えた方が良いように感じます。
天板のサイズは、2人掛けなら100cm、2〜4人掛けなら110cm、4人掛けなら120cm、6人掛けなら140cmをご提案。マンションであれば、140cmまでがベストです。
また、丸テーブルを選ぶ場合は、ぜひ脚のデザインにもこだわってください。
家族がリラックスして過ごすためには、ごついタイプよりも線が細いタイプの方がいらつきを感じません。また、他の部屋から見たときにもセンス良く見えます。
ワンルームで家族が個々に楽しめるレイアウト
日進木工・レイアウトプラン例
●日進木工・レイアウトプラン例
家族が家の中で長く過ごしたくなるインテリアとは、「家具が主張しすぎない」「足にぶつからない」「家具を動かすときにムダな力がいらない」「対面の家具が少ない」などが挙げられます。
また、家族が同じワンルームに集まっているからといって、ずっとみんなで会話しているわけではありませんから、同じ空間に居ながら、個々でも楽しめるレイアウトも重要です。
リビングで家族との会話が終わればすぐに自分の部屋に閉じこもるのではなく、例えば、一人はテレビを見て、一人は勉強をして、一人は横になって本を読み、一人は編み物をしている・・・など、家族が思い思いに過ごしながらも同じ空間、同じ時間の中でくつろげるレイアウトプラン。
改装後の住賓館では、そんなレイアウトの参考になるよう、実際に家具を配置して展示していく予定です。家族一人一人が心から和み、癒される空間を演出したいと考えています。どうぞご期待ください。
日本で育った木を使い、日本の技術とデザインによって、日本で製作した、純国産の北欧家具飛騨の木プロジェクト2009
日進木工では今、「飛騨の木を材料に、高山で家具を作る-飛騨の木プロジェクト2009」に取り組んでいます。
これは、飛騨で育った良質なブナ材を使い、同プロジェクトオリジナルデザインによる長尺のテーブルを、日進木工で製作するというプロジェクトです。
この純飛騨産のテーブルは、材料入手の都合で数量限定となり、飛騨の木プロジェクトの刻印・シリアルナンバーが入ります。
かつて日本ではどのメーカーでも国産の木材を使っていましたが、最近はほとんどが外材。国産が使われているのはほとんど杉材です。
今、日本で一番良質の国産の木材(ミズナラ、ウォールナットなど)を持っているのは、「オーセンティシティ」の土井木工。それだけ質のいい家具を作ることが出来るので、住賓館でも改装後には、「オーセンティシティ」の家具を集めたコーナーづくりを行う予定です。
同じように国産の木材を使って、北欧家具をより極めて作っていこうとする日進木工の姿勢にも高い評価を持っています。
ちなみに、この純飛騨産のテーブルは2009年10月末に入荷予定です。
ご来店の際には、ぜひチェックしてみてください。