Top >> 家具ログindex >> 第143回 日本人にあったベッドを作り続ける「フランスベッド」の武田所長に聞くフランスベッドの魅力とマットレスの選び方 | 住賓館(じゅうひんかん)家具ログ
2015ミラノサローネレポート
今年は会場を飛び出してBROGIATO(ブロジャート)彫師の工房も訪ねました!
梅雨が明ければ夏はすぐそこ。
日毎に気温が上がり、暑くて寝苦しい季節がやってきます。
そんな夏の夜も快適な眠りを手に入れたい方におすすめなのが、日本のベッドメーカーのパイオニア「フランスベッド」のマットレスです。
そこで、今回は、フランスベッド四国支社インテリア高松営業所の武田光雄所長をお迎えして、フランスベッドの魅力やマットレスの選び方など、いろいろとお聞きしました。
日本人が硬めのマットレスを好む理由
【住賓館】
フランスベッドのマットレスは、住賓館が扱うベッドメーカーの中でもしっかりしたスプリングの硬めのマットレスです。
暑い夏を快適に過ごすために硬めのマットレスをおすすめする理由は、ソフトタイプのマットレスのように体に密着しないので、熱がこもらず暑苦しくなからです。
ところで、日本人、特に年配の方ほど季節に関係なく硬めのマットレスを好む傾向があり、住賓館でも布団で寝ていた方が初めてベッドを購入されるときには、多くのお客様が硬めのマットレスを希望されます。
【フランスベッド・武田所長】
日本人が硬めのマットレスを好むのは、その体型が影響しています。
欧米人は背骨が大きく、プロポーションもしっかりしているので、ソフトで厚みのあるマットレスでも体が負けることはありません。
しかし、日本人は体が小さく、華奢な体型なので、ソフトなマットレスだと背中や腰が部分的に落ち込み、起きた時に腰痛を感じます。
日本人が畳に布団を敷いて寝る生活をずっと続けてきたのは、日本人の体型にあったスタイルだったからではないでしょうか。
だからマットレスを選ぶときも布団のように体が落ち込みすぎない硬めのタイプを好むのだと思います。
フランスベッドでは、こうした日本人の体型や気候風土を考えて、日本人にあったマットレスを追求してきました。
その結果たどり着いたのが「高密度連続スプリングマットレス」です。
この高密度連続スプリングは、フランスベッドだけが製造販売権を持ち、他社ではできないフランスベッドの一番の特長とも言えます。

日本人と気候風土にあった寝心地、通気性、耐久性
〜高密度連続スプリングとポケットコイルの違い〜
【住賓館】
マットレスのベースとなるスプリングユニットには、コイルスプリングを連結させて一体化したボンネルコイルと、コイルスプリングを1つずつ袋に詰めて並べ個々のコイルが独立したポケットコイルがありますが、「高密度連続スプリング」とはどんなスプリングユニットですか?
またほかのスプリングユニットとの違いや特長を教えてください。
【フランスベッド・武田所長】
高密度連続スプリングは、1台のマットレスのスプリングを1本の鋼線で連続して編み上げたもので、個々のコイルスプリングを連結させるボンネルコイルと違い、1本の鋼線ですべてがつながっています。
また、私は「縦バネ」「横バネ」と呼んでいますが、縦にも横にもスプリング(バネ)がある3D構造で、これも他社では見られない、独自の技術です。
安定性に優れ、衝撃吸収性や弾力性があり、横揺れも防ぎます。
【特長その1】面で受ける(理想の寝姿勢)
人間の体は、4ブロックに分けられ、その比重は、頭が約8%、胸部が約33%、臀部が約44%、足が15%。それが睡眠が深くなると力が抜けて操り人形のように体がぐにゃぐにゃになります。
この不安定な状態の時、独立した袋入りコイルが点で受けるポケットコイルのマットレスだと、一番重い臀部が部分的に沈み込むことになりますが、1本の鋼線を連続して編み上げる高密度連続スプリングは、体を面で支えるため、背中や腰の部分的な落ち込みがなく、背筋が伸びた理想の寝姿で眠ることができます。
また、横向きに寝た時、仰向けに寝た時よりも体が接する面が小さくなる分比重は4倍になり、バランスが取りにくくなりますが、面で受ける高密度連続スプリングだと体を安定させやすく、ぐっすり眠ることができます。
さらに、部分的な落ち込みがなく、体を安定させやすいマットレスは、寝返りもしやすいので、体に負担をかけることなく、眠りも妨げません。
【特長その2】空気をうまく使ったマットレス(通気性)
高密度連続スプリングマットレスは、非常に通気性に優れています。
ポケットコイルの場合、スプリングを袋詰して隙間なく並べているため、内部に熱や湿気がこもりやすく、しかも逃げにくい状態です。
しかし、高密度連続スプリングは、内部が空洞なので風通しがよく、寝返りするたびに熱や湿気が逃げていきます。
通気性の良さは、高温多湿の日本の気候にはとても重要です。
夏の熱い夜に汗をかいても、寝返りをうつたびに寝汗が抜けていきます。
また、空気層が多いということは断熱性もあり、実は冬場もあたたかいマットレスなのです。
空気をうまく使ったマットレス、それが高密度連続スプリングマットレスです。
【特長その3】構造そのものが強い(耐久性)
高密度連続スプリングマットレスは、1本の鋼線を高密度に、しかも多方向に連結させて編み上げているので、高い耐久性を備えています。
構造そのものが強い上、面全体で体を受け止めるため、点で受け止めるマットレスのように部分的なコイルに負担がかかり、そこだけヘタって変形することもなく、長くお使いいただけるマットレスです。

自分にぴったりのマットレスは?
〜選び方のポイント〜
【住賓館】
住賓館では、お客様がマットレスを選ぶ時、硬さの好みやご希望をお聞きした上で、実際にいろんなマットレスに寝てみて決めていただいていますが、選び方のポイントや目安となるものはありますか?
【フランスベッド・武田所長】
よく「立った状態で寝るのがいい」と言われますが、自然な状態で壁を背に立った場合、壁と腰部分の間は約4〜6センチですが、寝ると少し背筋が伸びるので、理想の寝姿勢は、マットレスと背骨の腰部分が2〜3センチと言われています。
4センチ以上だと硬すぎるし、隙間がなかったり体が沈みすぎる柔らかさだと腰痛や寝返りを打ちにくいなどの心配があり、硬すぎても柔らか過ぎても質のよい睡眠になりません。
もう一つ、よく聞く話として、「寝返りを打たないマットレスがいい」と言うのがあります。
寝返りを打つ原因の一つはしびれ。
同じ姿勢でいるとマットレスと接している部分が圧迫されて血行が悪くなってしびれるので、それを解消するために寝返りを打ちます。
また、寝ている時は背中に一番汗をかきます。
寝返りを打つのは、その汗を逃がすためです。
寝返りを打たないとしびれはどう解消するのか、汗や熱はどこに逃すのかー。
寝返りを打たないのではなく、自然に寝返りを打てるマットレスを選ぶことをおすすめします。
武田所長とは、もう20年以上のお付き合いになります。
ベッドについてはもちろんのこと、多方面にも造詣が深く、話題が豊富でいつもお会いすることを楽しみにしています。
今回の対談では、改めてフランスベッドの良さを確認することができ、お客様にご提案する時も、これまで以上に詳しく、わかりやすくご説明していきたいと思います。

なお、今回ご紹介できなかったことやお聞きしたいことがまだまだたくさんあるため、動画コンテンツの「住賓館Style」にも、ご登場いただくことになりました。
近日公開予定です。どうぞお楽しみに!
 
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