Top >> 家具ログindex >> 第102回 新作を発表するたびに難易度の上がる加工技術。究極のウッドフレームソファに挑戦し続ける土井木工 第3回 | 住賓館(じゅうひんかん)家具ログ
究極のウッドフレームソファに挑戦し続ける土井木工
インタビュー対談 Vo.2 土井木工 第2回
「FASを超える土井木工グレード。木材への桁外れなこだわり」

究極のウッドフレームソファに挑戦し続ける土井木工
インタビュー対談 Vo.2 土井木工 第2回
「FASを超える土井木工グレード。木材への桁外れなこだわり」
婚礼家具の産地・広島県府中市において創業60余年の老舗家具メーカーの土井木工が2003年に発表した自社ブランド「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」。
「本物の家具」を追求して生まれたこのブランドは、目の超えた人々から高い支持を受け、特にソファにおいては「究極のウッドフレームソファ」と評価されるほどの完成度の高さで注目を集めています。
その土井木工の土井啓嗣社長を訪ねてのインタビュー対談の第3回目は、各ソファの解説やメンテナンスについてのお話です。
AUTHENTICITY新作は加工難易度を上げて挑戦する!
【住賓館】
「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」は、2003年にSOFA AとBタイプが開発され、翌年の2004年にSOFA C、2006年にSOFA Dタイプ、さらに2009年に住賓館でも人気の高いSOFA BUを発表。
そして最新作であるSOFA Eタイプが2012年に開発されました。
こうして新作が発表されるたびに感じているのは、必ずデザイン、加工技術ともにレベルアップしていることです。
【土井木工・土井啓嗣社長】
「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」の開発においてこだわっているのは、新作を発表するたびに加工技術の難易度を上げていく挑戦をすることです。
社員一人ひとりが「前作よりも必ずいいものを作り上げよう」との思いを胸に、前作より難易度を上げた加工技術を施したり、新たな技巧に挑戦しています。
こうして常に進歩したモノづくりを行い、今までにない新しい家具を誕生させることは、「本物の家具」を追求し続ける「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」の使命だと考えています。
例えば、後ろ姿の美しさで高い評価をいただいているSOFA BUタイプは、前作のSOFA Bタイプの進化系です。
SOFA Bタイプの背部のフレームを露出させ、難易度の高い加工技術を施すことで、デザイン性の高いソファを完成させました。
その背部のフレームは、段違いに配した横木に、大蟻組やフィンガージョイントなど、高度な加工技術を施した縦の部材を連続的に組み込んで仕上げています。
また、この堅牢で複雑なフレームがソファ本体の構造を支え、傾斜のある構造にすることでファブリックを傾かせ、気持ちのいい座り心地も実現させています。
耐久性や機能面でも進歩したソファに仕上げました。
【住賓館】
SOFA BUタイプは、「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」スタート時に発表したSOFA Bタイプの特長である木目の通った美しいアームフレームを受け継ぎつつ、背部のフレームの機能性とデザイン性を高めて進化させたソファということですが、そのほかのタイプの特長をご紹介ください。
AUTHENTICITY SOFA C
【土井木工・土井啓嗣社長】
SOFA Cタイプは、フレーム幅の細いスマートでスタイリッシュなソファです。
1800ミリ幅に収まり、マンションなどの限られたスペースにも対応できるコンパクトサイズながら、座面は広く女性なら横になることも出来ます。
このSOFA Cタイプは、幅広の木材を必要とするBタイプなどに比べて歩留りが良く、最高級材を効率よく使うことを考えて開発したソファです。
AUTHENTICITY SOFA D
SOFA Dタイプは、立体的なアームデザインが強い印象を与え、SOFA BUタイプ同様360度どの方向から見ても美しい表情のソファです。
三角形の立体的なアームは、1本の木を2枚はぎ合わせ、それを角度をつけて組み上げています。
さらに肘から背、肘から床方向に材を削り出して絞り込み、細部にまでこだわりました。
その加工技術の難しさは、「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」シリーズの中でもトップクラス。
力強さと繊細さが融合したDタイプは、女性に人気があります。
AUTHENTICITY SOFA E
昨年発表した最新作のSOFA Eタイプは、Dタイプよりもさらに高い加工技術を要したソファです。
Bタイプからの流れを組む、木目が通った幅広のアームフレームは、厚みに変化をつけることでシャープな印象に。
また、ほとんどの部材を斜めに角度をつけて組み上げているので、見る方向によっていろんな表情の変化を楽しめるソファとなっています。
 
永く使っていただくために。
資材の調達からメンテナンスまで真剣に取り組むシステム。
【住賓館】
「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」を永く使っていただくための取り組みについて教えてください。
【土井木工・土井啓嗣社長】
結婚という新しい人生のスタート時からその後の長い人生を共にする婚礼家具を作り続けてきた土井木工では、製造するすべての家具において永く使い続けていただきたいと考えています。
そのために、良質の素材を使い、耐久性に優れた家具づくりに努めています。
「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」も資材の調達からこだわり、婚礼家具で培った経験と技術で長年使い続けても不具合のない、丈夫なウッドフレームを作っています。
ソファのベース枠には、テーブルにも使用できるほどの材で組み立て、そこにイタリア・インテス社のウェービングテープを丁寧に張り込みます。
クッションには1立方メートル55kgの高密度ウレタンとハンガリー産マザーグースのスモールフェザーを使用。
こうしてヘタリの少ないクッション部分と頑丈なウッドフレームを作り上げています。
【住賓館】
「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」のメンテナンスは?
【土井木工・土井啓嗣社長】
「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」はオールカバーリング仕様です。
クッション部はパーツごとにファブリックの交換やクリーニングができます。
これが完全な張り込み仕様だとソファごとメーカーへ送ることになり、コストもかかります。
パーツごとに交換ができるカバーリング仕様は、後々のメンテナンスを考えた「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」の基本コンセプトの一つです。
また、「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」のフレームは、ドイツ・リボス社の最高品質自然塗料(蜜蝋ワックス)のみを使用して表面を仕上げています。
天然木の風合いを活かした無着色のオイル仕上げなので、キズや汚れがついたらサンドペーパーをかけるなど補修も簡単です。専用のメンテナンスオイルを使えばしっとりとした風合いも保てます。
「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」では、このように10年、20年経ってもメンテナンスしながら永く使い続けていただくために、開発時からメンテナンスのことも考えた製品づくりを行っています。
それは長年婚礼家具を作ってきた歴史があるからで、婚礼家具では経年変化で金具などの交換が必要になります。後々交換が必要になるのであれば、最初から取り換えができる仕様やシステムにしておくという意識を持っています。
もちろん、10年、20年後にパーツの交換やメンテナンス依頼があったときに、しっかりと対応できる体制を整えておく必要もあります。
そのためには、資材の調達からメンテナンスまで、こだわりを持って真剣に取り組み、その信念をブラすことなく「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」ブランドを進化させ続けることが土井木工の家具メーカーとしての責任だと考えています。
 
アメリカの資材先から住賓館まで。
すべてがつながらないとAUTHENTICITYの商品は出来上がりません
【住賓館】
これまで土井社長やスタッフのみなさんとの長いお付き合いの中で、「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」への深いこだわりをお聞きしたり、そのこだわりを具現化した家具を目にするたび、私自身が感動し、自信を持ってお客様にご提案してきました。
どれほど木材にこだわっているか、どれほど高い加工技術が施されているか・・・など、「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」ほど、きちんとお客様に説明できる家具はありません。
また、目に見える部分だけでなく、クッション部を外してフレームの構造を確認していただいたり、フレーム裏をのぞいていただいたりしながら、どの角度からでも説明できる。それが「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」だと思います。
【土井木工・土井啓嗣社長】
「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」は、アメリカの資材先からモノづくりの現場、そして販売店まで、本物の家具を作って提供するという思いを一つにしなければ完成しません。
「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」を作るための丸太選びから携わってくれるアメリカの木材サプライヤー。
デザインから加工技術まで、決して妥協せずに進化し続けようとするデザイナーやモノづくりの現場(土井木工)。
そして、その過程と商品をしっかりと理解した上でお客様に伝え、提案していただく販売店様。
このすべてがつながらないと「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」の商品は出来上がらないと考えています。
他社との違いは、ここにあります。
住賓館の田組社長様とは、「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」の商品開発時より土井木工のモノ作りへの思いに共感していただき、パートナーショップとして商品を販売していただいています。
「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」に対する深い理解力と、それをきちんとお客様に伝えることのできる説明力をお持ちで、一連のネットワークの中でも、大切な役割を担っていただいています。
また、「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」に対する反応やご意見など、お客様と接する現場だからこそ入手できる情報をきちんと返していただけるので、新作の商品開発にも参考にさせていただいています。
こうしたつながりが、また「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」の進化となり、お客様により感動していただける商品づくりへとつながっていくのだと思います。
"作品"とも言える土井木工の家具
ぜひ、住賓館で「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」を体感してください!
選りすぐりの良質の木材、洗練されたデザイン、婚礼家具メーカーとして培った高度な加工技術を集結させて作り上げた「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」。
土井木工の土井啓嗣社長を訪ねてお話をうかがったインタビューも今回で最終回です。
貴重な時間を割いて土井木工の歴史から現在の「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」まで詳しくお話いただいた土井社長に改めてお礼と感謝を申し上げます。
興味深いお話をいろいろとお聞きすることができ、今後お客様に対してより深く「AUTHENTICITY(オーセンティシティ)」についてご説明できると思います。
住賓館には、最新作のSOFA Eタイプを始め、人気のBUタイプや超技巧のDタイプなどを展示しています。
ぜひ、ご来店いただきその魅力をご体感ください。
ブログではお伝えできなかった情報もお話できるかもしれませんよ。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。
 
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